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箱根の古民家再生|貸別荘として蘇る築60年の建築

箱根町・大平台の広大な敷地と自然に囲まれた地に建つ築60年の古民家を、

無人運営の一棟貸し宿泊施設として再生したプロジェクトです。

 

屋根に穴が開き、床が腐り落ちた廃墟同然の状態からのフルリノベーションでした。

解体ではなくリノベーションを選んだのは、2,000㎡を超える広大な敷地にもかかわらず

接道長さが短く、法規制により新築可能な面積が厳しく制限されていたためです。

将来にわたる敷地の活用展開を見据えたとき、

今期においては、既存建物を継承することが現実的かつ創造的な選択でした。

 

インバウンド需要を見据え

既存建物の木造架構・障子・和の設えをこの地の風土と時間の記録として保存しながら、

耐震補強・断熱補強・防水・外壁補修といった建物として必要とされる性能の向上、

現代的な性能を重ねています。

 

また既存の建物の床面積が200㎡を超えていたため

2階の和室一部屋分の床を抜いて吹き抜けとし、床面積を200㎡以下とすることで

別荘から宿泊施設に用途変更をする際の確認申請手続きを省きました。

 

調整のための吹き抜け化の行為でしたが

土間ダイニングスペースと2階の寝室が、吹き抜けを通してつながる空間構成となり

面積では図れないダイナミックな連続性が生まれています。

 

何よりこのプロジェクトの中心にあるのは、水です。

敷地内を流れる箱根大平台の天然水、源泉掛け流しの温泉

ミネラル豊富な水を空間の流れの中に織り込んだ“水”の宿です。

 

既存の物置小屋を活用した自然を肌で感じられる屋外サウナ、天然水を引いた水風呂、

そして和室1室分の広さの露天風呂温泉。

 

露天風呂は、既存の和室に隣接するテラスを拡張する過程で、

その場所からなら周囲の視線を気にせず月を見上げながら温泉につかれることに気づいたことが決断の理由です。

かつての和室が、空へと大胆に開かれました。

 

本プロジェクトは、コンセプトメイキングの段階から携わり、

将来の2期・3期の拡張も見据えた敷地全体のプランニングとして設計しています。

廃墟同然だった古民家は、新たな価値をまとい、現在一棟貸の宿として稼働しています。

設計条件 ・都市計画道路が敷地の南面にある ・子育て中の4人家族の想定 ・車は2台設置 ・モデルルームとして1年利用した後、分譲する コンセプト 以前ご依頼いただいた工務店様よりモデルルームの設計ご依頼を再度頂きました。 今回の敷地は南側が約16mの都市計画道路に面しており、 南側は開放的で採光も望める立地なのですが、車通りや通行人の目線が気になり ただ窓を設けるだけではカーテンを開けづらい立地です。 そこで、今回も閉じながら開く、をテーマに建物自体を部分的に45°振る事で 開放感を得る事ができるように考えました。 建物の軸と道路の軸が交わらないだけで、目線は気にならなくなり 南側に設けた中庭を中心に、各所で中庭の緑を感じられるようになりました。 また45°の角度は特徴的な外観を構成し 通りすぎる車や通行人も、思わずどんな建物だ?とモデルルームの事が気になる そんな効果も生み出しています。 非常に豊かな南側の庭に面した開放的なLDKは、 住宅というよりホテルのラウンジにいるような 非日常的な空間を演出しています。 キッチンは空間の中央に配置して、ホテルラウンジのドリンクカウンターのような設え。 ダイニングにはフルオープンができるアコーディオンサッシ。 まるでカフェのテラス席のような開放感で縁側、庭とつながります。 リビングの作り付けのソファは寝ころぶと吹き抜けと庭への開放感が楽しめ 浮遊感のあるデザインとしました。

神奈川県鎌倉市の住宅地に建ちながら、

中に入るとそこが日本である事を忘れる。

それが今回の住宅の設計の核にあったことです。

 

イギリスでのクラシカルでモダンな暮らしのご経験を持つお施主様が求めたのは、

「日本の典型的な住宅にはない本物感」という言葉でした。

その言葉を受け取り、建築家として問いを立てました。

鎌倉という日本の住宅地の文脈の中で、どこまでそこを逸脱できるか。

その逸脱を、素材・空間のスケール・光・インテリアの四つで積み重ねることにしました。

 

素材の逸脱。

外壁のレンガタイルはオーダーメイドです。

職人が一枚一枚窯で焼き、一枚ずつ張り上げる。

既製品では出せない手仕事のぬくもりと、時を経るごとに深みを増す表情。

この提案は建築家側から行いました。

フローリングも・左官材もすべて組み合わせによる質感、手触りを確かめながら

何度も試作を重ねオーダーメイドで制作しています。

一つ一つの空間のために用意された素材。

高級注文住宅において、素材の選定は空間の質を決定づける最も重要な判断です。

 

スケールの逸脱。

天井高3.5m、吹き抜け7m。日本の木造2階建てとは思えない天井高さです。

とにかく広いリビングが欲しいというご要望に対し、ただ広くするのではなく、

広い平面に対して構成比のバランスが取れた空間の高さを導き出しました。

広さは面積ではなく、比率で決まります。

設計事務所だからこそできる、数値と感性を往復する判断です。

その結果、広大なスケールにかかわらず違和感のない、

心地よさを感じる広さのリビングを設えました。

 

光の逸脱。

南側に隣接する駐車場という条件を、設計の視点から読み直しました。

恒久的な開放感が約束されたこの方角に、

吹き抜け全面、大開口の輸入品の格子窓を設けました。

Bocciのガラスグローブ照明やTom Dixonのクロームの照明

SieMaticのステンレスのアイランドキッチン。

太陽光が当たりキラめく様子は、この判断があって初めて生まれる風景です。

 

また、キッチンの奥に設けたインナーガーデンには連続してトップライトを設け

時間や季節の経過と共に、移ろう光の演出を折り重ね、

模範的な住宅らしさからの逸脱を試みています。

 

まるで洞窟のようなエントランスには床に連なる間接照明を仕込み、

ドーム天井に仕上げた手作業の形跡をやわらかく印象的に照らし出す事で、

住宅とは思えない演出を施しました。

 

インテリアの逸脱。

Minottiのソファ、SieMaticのアイランドキッチン、Bocciの照明。

日本の注文住宅では珍しいスケールと質感のインテリアが、空間と美しく調和しています。

借景と遮音を兼ねた植栽が外界と室内を緩やかに仕切り、

中にいる限り、ここが日本で、住宅であることを忘れさせます。

 

 

※職人が1枚1枚窯で焼き、 1枚ずつ張り上げた外壁のレンガタイル

 手作業のぬくもりを感じさせ、 建物の大きさに対し 柔らかな表情を作り出し

 安心感を与えています。

 

※LDKのフローリングは何度も試作を繰り返し、お施主様の感性、イメージを再現致しました。

 

※左官やテラゾーの質感等、何度も組み合わせを試行しました

 

手作業のぬくもり、時を経た素材の美しさ、日本を逸脱したスケールと質感。

その積み重ねが、timelessという言葉に建築としての実体を与えています。

 

photo by 矢野紀行写真事務所

設計条件 ・1階に事務所兼用住宅、2階に共同住宅(2戸)の共同住宅 ・地区計画の制限の厳しい地域 ・事務所用として車は5台ワゴン車が停められるように ・事務所はフリーアドレスとして、現場から帰ってきた作業スタッフがリラックスできるような空間 ・共同住宅は40㎡以上、2人暮らしの想定 コンセプト 事務所と、そのスタッフ用の賃貸(共同住宅)の併用建物の依頼を頂きました。 地区計画の制限が厳しく、長屋は不可、1戸40㎡以上、事務所だけとしては用途不可との事で 1階をオーナー自宅兼事務所とし、2階に共同住宅を2戸設ける事で用途制限をクリアしました。 自宅兼事務所は、時に30人くらいを呼んでパーティーする事もあるとの事で 家具の位置は限定せずに、大きなテーブルで立食パーティーのような使い方もできるように想定しました。 また当然事務所としての機能も求められますので、 休憩スペースを来客時の応接スペースと兼用して利用できるように ゆるやかに仕事スペースと区画するため、天井を下げたり、ルーバーを設けたりしています。 共同住宅エリアは地区計画の40㎡以上という制約から若い2人暮らしを想定し1LDKとしました。 帰宅後、すぐに衣服を脱いで洗濯、着替え、時にはそのままベッドルームでも寝る事ができるよう 玄関からLDKへの動線と寝室への動線を設け、木毛セメント板の水回りを中心に回廊してつなげるプランとしました。 使い勝手のよい動線を確保すると同時に、若い世代が楽しんで暮らせるような間取りとしました。設計条件 ・子育て中の4人家族が住む想定 ・工務店様のモデルルームとして1年弱利用した後、分譲住宅として販売する ・耐震等級3を確保しながら、空間のつながりを実現する ・来客時に想像以上の空間がほしい ・敷地は閑静な住宅街だが、角地に近く、また角地方面が高低差があって視界が抜けている コンセプト 工務店様からのご依頼で分譲住宅の依頼を頂きました。 モデルルームとして1年利用した後、分譲住宅として販売する想定との事で 工務店様の特徴を活かしながら、来ていただいたお客様に想像以上の感動を与え、 思わず購入したくなるような家の設計を行いました。 まず敷地の周辺を見ると2階建ての住宅が立ち並ぶ中 隣地が角地でその方面に土地が下がっていくため、眺望を確保するにはその方面が適していました。 そこで2階を家族の団欒の場とし、斜めの外壁を目隠し壁として設けて外の風景を切り取り 室内の大きな窓からはカーテンを閉めなくても気にならないくらい 外界から遮断された非日常的な開放的な空間を設えました。 閉じながら開く家です。 そこから連続するダイニング、キッチン、畳スペースからも外の開放感を味わえます。 そして、ただ開放的に空間を設けるのではなく、 天井高さを一部低くして門型の中間スペースを設けたり 床にあえて段差を設ける事で、ゆるやかに空間を仕切り 家族や友人がお互いの気配を感じながらも、各々の気に入った場所で ゆったりと時間を過ごす事ができるような場を設けました。 階段を上がってきた時に現れる想像以上の非日常的な開放感のある団欒の場は 来客頂いた皆さまに大好評で、 モデルルームとしてご利用いただいた後は 想定していた若いご夫婦の住処となりました。

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